はじめに
私がヘミシンクを聞いてみようと思ったきっかけは、亡くなった子どもにもう一度会いたいという想いからでした。子どもを亡くした悲しみの中、どうすればもう一度会えるのかを模索し、時間を遡る方法はないかと量子力学の本を読み漁る中、自分の能力の無さと不甲斐なさに落ち込んでいました。そんな時、新聞の広告欄に死後の世界を探索した体験をまとめた本が載っていました。興味を惹かれネットで調べてみるとアメリカにモンロー研究所という施設があり、そこではヘミシンクという技術を使って死後の世界の探索を行っていて、しかも死後の世界の探索は一般の人が体験できるセミナーとして公開されていることが判りました。ぜひ参加したいと思いましたが、何よりも先ず英語力が必要であり参加できるのは何年も先になるだろうと思っていました。ところが偶然は重なるもので、日本から通訳付きでモンロー研究所のヘミシンクセミナーに参加する初めての企画があることを雑誌の記事で知り、なんとかそのツアーに参加することができました。それが私の初めてのヘミシンク体験となりました。子どもが亡くなってから半年ほどの出来事でした。
モンロー研究所は、アメリカのバージニア州シャーロッツビルの大自然の中に位置していて、見渡す限りの草原と山々、都会の喧騒からは完全に切り離された、まさに自然の楽園の様な場所に建物がありました。いかにも超自然的な体験をする場所という感じが漂っていました。
ようやく子どもに会えるとの期待に胸を膨らませモンロー研究所でのヘミシンク体験が始まりました。
・・・結果は散々でした。亡くなった子どもに会えるどころか、死後の世界の存在すら確認できないまま約1週間のアメリカ滞在は終わりました。唯一の収穫は、セミナーで知り合った多くの素晴らしい人たちとの出会いでした。いい意味でまさに魔女という言葉がぴったりの女性トレーナーや気さくで優しさにあふれた男性トレーナー、様々な理由から参加した日本人参加者。彼らとの出会いや交流の時間は忘れられないとても大切な思い出となりました。また、現地では思いがけない人物(リモートビューイングで有名なGMさん)との出会いもありました。
初めてのヘミシンクセミナーの体験は散々なものであったにも関わらず、結局、私は5回、モンロー研究所のヘミシンクセミナーに参加しました。当初の目的であった「もう一度子どもに会いたい」という願いは、3回目に参加した「X 27」で実現しました。それ以降、何度も会うことができています。
ヘミシンクセミナーは、概ね5日間の日程で行われ、各日複数回のヘミシンクのセッションがあり、一つのセッションが終わるとミーティングルームに集まって体験をシェアする時間を設けます。そこで参加者がそれぞれ体験したことを話すのですが、同じ目的のヘミシンクセッションにも関わらず、人それぞれ体験した内容が大きく異なっています。また、何の体験もできなかったというシェアもあります。同じ環境で、同じヘミシンクを聞いているのになぜ体験に違いが生じるのか疑問に思っていました。最初の頃はヘミシンクの経験時間や本来その人が持っている素質によって違うのかと思っていましたが、この疑問の回答は、「スターラインズ」のセミナーを受講している時、突然分かりました。(「突然分かった」というのは一見変に聞こえますが、ヘミシンクセミナーに参加している時は、こうした事が時折起こります。)
理由は二つあり、一つは、人によってこの人生で果たす役割が違うからです。参加者がこれまで辿ってきた人生経験は千差万別であり、今、何を知り、何をすべきなのかは人それぞれ異なることから、体験もその人に合わせたものになります。二つ目は、人は個の存在の様でありながら、実は多くの人と繋がっています。そのため、一つのセミナーの体験は個人個人の体験でありながら、グループ全体の体験となります。そのため、全員が同じ体験をする必要はなく、それぞれの体験を寄せ集めることで、個人では見えないより大きなものが見えてきます。いわば参加者はグループの一つのパーツにすぎないのです。そのため、それぞれの役割に応じた、またその人の成長の時期に合わせた体験が待っています。他の人たちと同じような体験ができないからといって、素質が無いとか、ヘミシンクは難しいから自分には無理などと決めつけてしまうのは早計です。
モンロー研究所の滞在型ヘミシンクセミナーでは、ヘミシンクの体験はもちろんですが、そのほかにも様々な体験ができます。例えば、個性豊かなトレーナーによる講義は素晴らしく、多くの事を学ぶことができます。それにもまして素晴らしいのは、様々な参加者との交流です。セミナーの受講者はユニークかつ人間的にも素晴らしい人たちばかりで、彼らとの触れ合いの中でも多くの事を学ばせていただきました。また、さきほど書きましたが、今まで疑問に思っていたことが突然理解できたという体験も時々起こっています。不思議なのはいつの間にか理解できていたという事です。今まで0だったものがいきなり100になった感じです。いきなり知識が頭の中に入ったという表現が正ししいのかもしれません。また、ある時は頭で理解したというより、魂で理解したという方がふさわしいと感じたこともありました。
ヘミシンクセミナーのすばらしさは言葉では言い尽くせないほどです。ただ、ヘミシンクセミナーで何を得られるかは人によって違うはずなので、同じ体験を期待してはいけません。でも、ヘミシンクセミナーがワンダーランドであるという事はみんな同じはずです。きっと素晴らしい体験が待っています。
今回公開する記録には、モンロー研究所のプログラムである「X27」、「スターラインズ」、「スターラインズ2」での体験が書いてありますが、私自身、実はここに至るまでは殆どヘミシンクによる非物質世界の体験はできていませんでした。そんな私がなぜ、「X27」以降、様々な体験ができたのか、そもそもよくそんな状態で「X27」に参加しようと思ったのか、今考えても不思議です。きっと目に見えない何者かの力が後押しをしてくれたのだと思います。
「X27」では、感謝(Gratitude)がキーワードで、全てがここから始まり無限のパワーを持つことを教わりました。
「スターラインズ」では、初めてクラスターカウンシルと出会い、スターゲイトを超えてフォーカス49のその先を体験しました。
「スターラインズ2」では、全ての物は愛において一つであることを学びました。ただ、この概念は頭で理解したのではなく、魂で理解したという不思議な体験でした。
全てはセッションを受ける前には想像もしていなかった事です。
「X27」のセッションの中で、今回の人生の目的を聞く機会がありました。そこで教えられた答えが「スカウト」でした。これは、ヘミシンクに興味を持つ人を少しでも増やし、そしてそれらの人達が非物質の世界を探索し、「すべてのものは愛において一つである」ということを知ってもらうための手助けをすることであると自分なりに解釈しています。その活動の最初の第一歩がこの記録です。この記録が、ヘミシンクを体験していくうえで少しでも参考になれば幸いです。
なお、ここで紹介する各セミナーの内容は、現在参加できるモンロー研究所のプログラムとは異なるかもしれません。これは10年以上前に実施されたセミナーに参加した時の記録です。こうして自分の体験を伝えられる機会をくれた多くの人や存在に感謝を込めて、「ありがとう」。